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翻訳というおしごと

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ちょっとした出版イベント行ってきました。 実川元子さんの「翻訳というおしごと」刊行記念。

翻訳という仕事がどんなものか? 異業種の仕事に興味があったこともあって。
海外の書籍も普通に日本語で読んでますし、ネットニュースが翻訳されるのも知らぬ間です。映画の字幕、吹き替え等々、とにかく翻訳という存在は空気みたいに当たり前のモノになってると感じます。

医療ITの仕事をしてる関係で技術書はほぼ翻訳本。海外の検査機器やら海外販売している製品は全て翻訳が絡んできます。自分でペラペラと話せないし、人に伝えられれるほど技量があるわけでもなく、翻訳してくれる人がいないと成り立たない仕事も多かったりします。

 そんな翻訳業のこと、聞いてみて、本を読んでみて、まったく知らない世界でした。

仕事をする上で自分のバイブルである「7つの習慣」。去年だか新訳本が出たんですね。原書は同じで翻訳だけが新しくなって。読んでみて驚きました。読みやすく別物でした。
 書籍ってアートだと思ってます。原書それを日本語の書籍にすることももちろんアートです。
日頃、同じものを見ていても、そのレポートは百人十色。

 外国語は会話や文章の塊を捉えてニュアンスを汲み取ることが大事になってる気がします。単語が一対一で表現できるなら、こんなに日本人の英語力は劣ってないはずです。
 だからそれを日本語で表現しようとした時に、翻訳者のセンスや日本語力が非常に重要な職業なんだろうと思いました。
村上春樹さんが訳された書籍は、やっぱ村上春樹だったりしますからね。

多分、それはその通りで、その難しく職人的な技量にそれなりの報酬が得られないことが今の翻訳者の課題なんでしょうね。

「トライアル」という言葉も新鮮でした。仕事を受ける前にお試しされる。僕らも外部の会社へ仕事をお願いする時にも同様のことをやります。ただそれは有償の仕事としてお願いします。でも翻訳者のトライアルは、おそらく無償だと思います。シビアな世界だね。

 そういうシビアな世界で生きられてる方は、筋トレと称する、日々のトレーニングを欠かさないそうです。
普通に出来ることを365日続けること、それがプロになれるかどうかですと。
かっこいいと思いました。ただそれはそうなんだけど、それを苦労と思っていないのは、好きだからという以前に、好きだという度合いが尋常ではない気がしたんですね。好きなことを仕事にするということの大変さと偉大さを感じた言葉でもありました。

日本語への翻訳というニーズを考えると、日本の人口が減るとそれだけ需要は減ります。
活字離れが進むと書籍の販売数が減少します。
活字にお金を払うという価値観も減少してるという感じ。

多分、未来に向けて翻訳者の状況は厳しいんだろうと思います。
でもね、日本人が海外へ出向く機会は絶対的に増えてます。
海外の方が日本語の意味や日本人を理解したいと思う状況はそれに比例して増えている気もします。
なんかね、そのあたりに翻訳者の方の未来があるような気がしたんですね。

頑張って欲しいと思います。
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by santabreak | 2016-12-18 20:33 | ART | Comments(0)