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オリンパス、カメラ事業譲渡

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ガーンです。いつかはこうなると想像は出来たことではあるけれど、ガーンです。新聞一面にデカデカと掲載されるべきインパクトですが、世間では違うみたいですね。赤字のカメラ事業を支える主力の医療系事業がコロナの影響を受けちゃったみたいですから、時代の流れの中でこの経営判断は理解できる。オリンパスの株価が上がってます。でも残念。オリンパスカメラのユーザですからこの先どうなるのか不安になりますが静観するしかない。カメラ事業は分社化され譲渡とあります。消滅するわけではないので別のマウントへの鞍替えは今は考えてないけれど、フルサイズのカメラを追加で手に入れようかと調べていたところだったので、それがちょっとだけ早まるかなってとこ。でも新しい環境で復活することを願います。

 さてさてカメラ事業はソニー以外、全て赤字らしい。ニコンもキヤノンも他人事ではないんじゃないでしょうか。スマホに飲み込まれちゃてるカメラ業界です。カメラを使った仕事をしている人やカメラ好き以外の人には、スマホで充分なんですよね。悔しいけど。

カメラ業界が衰退している理由いくつか考えてみました。
まず小型軽量の分野でスマホに負ける。特にオリンパスは機動力を活かした小型軽量が売りです。大きくて重いカメラと同じことが小さなマシンで出来れば、そっちの方が良いことは明らかですからね。

次にカメラやレンズが高過ぎる。フルサイズ神話を業界が作り出してしまって、フルサイズじゃないとカメラじゃないと言わんばかり。センサーが大きくなるとレンズも大きく重くなり、おまけに高価になる。交換式レンズのカメラですが、マーケットリサーチによると、レンズ交換しない人の方が多いらしいです。えっ?です。雑誌の特集記事では交換することが当たり前のような錯覚を起こしますが、それはほんの一握りの人に対してだという事実。レンズ交換は面倒ですからね。オリンパスには、この分野を切り崩してくれると期待してました。フルサイズに比べて安価なマイクロフォーサーズですが、画質が悪いというイメージを植え付けられちゃってる。全くそんなことないとは思ってますが、フルサイズ神話に振り回されてしまったかな。マイクロフォーサーズよりも小さなセンサー使ってるスマホだけが画質が上がっているというのは全然当たらない。考えれば分かることなんだけどね・・。

三つ目が、写真の価値が低い。写真に対しての価値観も大きく影響してると思います。ある写真集の話をカメラやアートにほとんど興味のない、いわゆる大多数だと思う感覚の人と話をしてて思ったのは、写真や美術から何かを感じるセンサーが、限りなく消費的思考だと思ったこと。一過性の使い捨ての情報で埋め尽くされるSNSの世界観、一瞬見ておしまいのライトな感覚が大勢を占めている気がします。じっくり写真やアートを読み解くことが楽しいと思っているので、価値観の違いからまったく話が発展しないのはとても寂しい。アートってすごいと思ってる身からすると、本当に残念。

カメラは高いし、レンズも高い。おまけにレンズ交換なんてしたくない。そんなカメラから生まれた写真は消費されるだけの存在。

写真の価値を高めることが、この業界にとってポイントのような気がします。そういう価値を高める写真雑誌も休刊。カメラの老舗メーカーも撤退。努力が足らないのか時代の変化なのか、カメラは日本が誇る世界的な産業なんだけれど、日本の文化や産業構造は、アートに対しての価値がとても低い。学校教育からしてもそう。大きな課題だと思ってますがどうでしょうか?

 スマホで全てが完結してしまうような写真の業界になってしまうんでしょうか? スマホでも価値の高いアート作品作れる時代。カメラ業界も時代の流れに乗って新しい価値観を生み出せるんだろうか? 

写真には人を動かす、すごい力があると思ってる人間ですから、非常に気になります。

でもなぁオリンパス、残念。

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by santabreak | 2020-06-27 12:45 | カメラ | Comments(0)